建設業の倒産件数増加:2024年問題が招く深刻な状況と業界の未来

まいどおおきに!Rimpactの中西です。ご覧いただき誠にありがとうございます!

本日は、当社のお客様にも多い建設業様の2024年問題についてお話しさせていただきます。

大手建設業者である「清水建設」が上場以来初めての営業赤字となったことも報道されているかと思います。

もともと575億円の黒字を見込んでいたのにも関わらず、330億円という巨額の赤字決算となったのにも理由があります。

また、近年、ニュースでも報道されているように建設業における倒産件数が急増しています。

帝国データバンクによると、2023年度の建設業倒産件数は前年度比33.4%増の94件となり、過去10年で最多を記録しました。

この背景には、人手不足、労務費の高騰、資材価格の高騰など様々な問題が挙げられますが、特に2024年4月から施行された時間外労働の上限規制「2024年問題」の影響が大きいとされています。

目次

2024年問題がもたらす影響

2024年問題とは、労働基準法改正により、建設業においても原則1か月45時間、年360時間の時間外労働時間の上限規制が設けられたことを指します。

長時間労働が当たり前だった建設業界にとって、この規制は大きな衝撃となりました。

規制施行後、多くの建設企業では、工期内に作業を完了するために、残業時間を減らし、人員を増やす必要に迫られました。

しかし、すでに深刻な人手不足に直面している業界において、短期間で人員を増やすことは容易ではありません。

そのため、多くの企業で人件費の高騰や工期の遅延が発生し、経営悪化を招いています。

2024年問題と倒産件数増加の関係

2023年度の建設業倒産件数のうち、約4割が人手不足が原因とされています。

これは、2024年問題の影響によるものと考えられます。

時間外労働の上限規制により、人材確保が難しくなり、多くの企業が人手不足に陥っているのです。

人手不足に加え、労務費や資材価格の高騰も倒産件数増加に拍車をかけています。

時間外労働の上限規制により、残業代が削減され、人件費を抑えるために、低単価の労働者を雇用する企業が増えています。

しかし、低単価の労働者は技術力や経験が不足していることが多く、結果的に作業効率が低下し、工期遅延や品質問題が発生しやすくなります。

また、日本の建設業の強みでもある「短納期」にも原因があり、今までは、残業や土日出勤で対応していましたが、残業規制により短納期に対応ができなくなり、工事単価の低下や管理コストの増加なども発生しています。

さらに、近年は原材料価格や燃料価格の高騰により、資材価格も上昇しています。

これらの要因が複合的に作用し、多くの企業が採算悪化に陥っているのです。

2024年問題を乗り越えるために

2024年問題を乗り越え、建設業が持続的に発展していくためには、様々な対策が必要となります。

  • 人材確保:建設業の魅力向上、女性の活躍推進、外国人労働者の受け入れ拡大など、幅広い人材確保策を講じる必要があります。
  • 生産性の向上:ICTの活用による業務効率化、ロボットやAIの導入による自動化など、生産性を向上させるための取り組みが必要です。
  • 経営基盤の強化:財務体質の強化、事業の多角化、リスク管理の徹底など、経営基盤を強化することで、経営悪化を防ぐ必要があります。

政府も、これらの課題解決に向けた支援策を講じています。

具体的には、建設業向けの助成金や補助金の拡充、人材育成のためのプログラムの提供、経営コンサルティングの提供などが挙げられます。

業界の未来

2024年問題は、建設業界にとって大きな試練ですが、同時に、変革のチャンスでもあります。

この問題を乗り越えることで、建設業はより効率的で、持続可能な業界へと進化していくことが期待されます。

今後、建設業は、人手不足や労務費の高騰といった課題を克服しながら、技術革新や新たなビジネスモデルの創出を進めていく必要があります。

また、安全対策や環境対策にも注力し、社会貢献度の高い業界へと成長していくことが求められます。

まとめ

2024年問題の影響により、建設業の倒産件数は増加していますが、政府や業界団体の支援策や、企業の努力により、着実に状況は改善されています。

今後は、この問題を乗り越え、より良い建設業界を築いていくことが重要です。

当社では、建設業様に対する豊富なコンサルティングのノウハウを活用し、

① 業務のIT・DX化

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