相続時精算課税制度の理解とその影響

まいどおおきに!Rimpactの中西です。ご覧いただき誠にありがとうございます!

2024年より相続税及び贈与税の税制改正がございますが、先日ご案内させていただきました「暦年贈与」に関しては、相続税の課税対象期間が3年から7年に変更されるなどの税負担が大きくなる可能性をお伝えさせていただきました。

そして、本日ご説明させていただきます「相続時精算課税制度」では改正により税負担が少なくなる可能性がございますので是非ともご一読いただければと思います!

相続時精算課税制度の概要

相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上(令和4年3月31日以前の贈与については20歳)のお子様やお孫様が財産を贈与する際に選択できる制度になります。

この制度を選択する場合には、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間に一定の書類を添付した贈与税の申告書を提出する必要があります。

また、この制度を選択した年度以降の贈与は全て、「相続時精算課税制度」の対象となり、「暦年贈与」への変更はできなくなっています。

贈与税額の計算方法

相続時精算課税の適用を受ける贈与財産については、その選択をした年以後、相続時精算課税対象の贈与者から1年間に贈与を受けた財産の合計額を基に贈与税額を計算します。

その贈与税の額は、贈与財産の合計額から、複数年にわたり利用できる特別控除額(限度額2,500万円)を控除した後の金額に、一律20パーセントの税率を乗じて算出します。

つまり、贈与額は合計2500万円まで非課税ですが、残りの部分には20%の税金が掛かるということになります!

注意点

上記を読むと、一見素晴らしい制度のようにも思えますが、この制度の名称「相続時精算課税制度」の名称の通り、贈与した方がお亡くなりになった際に、生前贈与された分も含めて相続税が課税される制度になっています。

つまり、贈与税は非課税となりますが、相続時にまとめて相続税として課税されるため、納税の先送りができる制度ということになります。

そして、暦年贈与では110万円の非課税枠があり、贈与人の財産を減らす効果があるため、相続時の課税額を減らす効果がありますが、上記の通り、一度「相続時精算課税制度」を選択すると「暦年贈与」は使用することができなくなってしまいますので、慎重な選択が必要です。

相続時精算課税制度の改正点

しかし、2024年の税制改正において、相続時精算課税制度にとても良い改正が入りました。

上記の通り、この制度では贈与した財産は全て相続財産に加えられましたが、110万円の基礎控除枠が創設されることになりました!

つまり、毎年の基礎控除110万円以下の贈与財産は非課税となり、贈与税の申告も必要なくなりました。

相続時精算課税制度と暦年贈与の選択

基礎控除額110万円を10年間贈与したケースを考えます。

暦年贈与

110万円×10年(1,100万円)ー7年間の持ち戻し(770万円)=330万円が非課税枠

となりますが、

相続時精算課税制度では持ち戻しの額は無いため、基礎控除額以下の贈与であれば相続時精算課税制度の方が節税効果の高いケースが多いことになります。

しかし、基礎控除を超えて贈与を行う場合には、相続時精算課税制度の場合では持ち戻しの金額が贈与年数に比例して増加していく傾向にありますが、暦年贈与の場合には7年の持ち戻し期間が決まっていますので相続財産を減少させる効果が高いといえます。

結論

何か難しい説明が多く曖昧な部分もあるため、結局はどちらが良いのかが気になるかと思います。

弊社では、大きく分けて資産総額3億円以下の方は相続時精算課税制度、3億円超の方は暦年贈与を検討

と案内させて頂いております。

詳しい制度のご案内やご提案に関しましては、資産や状況によって異なってきますので、各種専門家にお問合せ頂ければと思います!

弊社では、事業承継に関する税制についてのご相談も承っております。

今回ご説明させて頂いた通り、相続性や贈与税の対策には長い時間を要します。

先日のブログの通り、事業承継は早ければ早い方が良いので、一度ご相談だけでも頂ければと思います(^^)

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