事業承継における「株式交付」と「株式交換」の違い

まいどおおきに!Rimpactの中西です。ご覧いただき誠にありがとうございます!

本日は、事業承継においてとても使い勝手がよくなった「株式交付」と今までよく使用されていた「株式交換」についてお話させていただきます!

事業承継は企業の成長や持続性を確保する上で極めて重要なプロセスであり、これにはさまざまな方法が存在します。

中でも、事業承継において、持ち株会社の設立(資産管理会社)によく利用されていた、「株式交付」と「株式交換」にはそれぞれ特有の特徴とメリットがあります。

本ブログでは、これら二つの手法の違いに焦点を当て、事業承継に関わる方々の理解を深める助けとなることを目指します。

株式交付とは

株式交付は、ある会社が別の会社の事業や資産を取得する際に、その対価として新たに発行した株式を提供する手法です。

具体的には、A社がB社の事業を取得する場面を考えると、A社は自社の新しい株式を発行し、その株式をB社に交付します。結果として、B社はA社の株主となります。

メリット

現金を直接支払う必要がないため、資金繰りの面での負担が軽減されるや、双方の企業が資源や強みを共有しやすくなるなどのメリットがございますが、最大のメリットでもあり株式交換から最も使い勝手がよくなったとされる、

完全子会社化の必要がない

ということです。つまり、株式を100%交換する必要が無く、50%超を取得して子会社化するのみで良いということになります。

これにより、現物出資等による価値の不足などにより、子会社の株主などが財産の補填責任を負う必要が無かったため、持ち株会社(資産管理会社)などを設立する際の円滑化に寄与すると考えられております。

また、税制の融合制度もございますので、以下出典をご覧ください。

No.1545 株式等を対価とする株式の譲渡に係る譲渡所得等の課税の特例

ただし、この優遇措置は、対価の80%以上が親会社株式である場合に限られており、株式以外に金銭などの交付を受けた場合は、その部分は課税対象となるため注意が必要です。

デメリット

メリットの半面、もちろんデメリットもあり、A社の既存の株主の所有比率が希薄化する恐れがあることや、株価の変動リスクが伴うことなどがありますが、その他にも、

金銭を使用した交換ができず、株式を使用する必要がある。

つまり、合同会社などの持ち株会社では適用することができず、株式会社のみになります。

また、すでに議決権の半数以上(株式の50%超)を取得している株式会社には適用することができないことや、株式の対価として支払う合計金額の内80%以上を親会社の株式とする必要があります。

株式交換とは

株式交換は、2つの会社が相互にその株式を交換する手法です。

A社とB社が合併や組織再編を行う場合、A社はB社の株式を取得し、その対価として自社の株式をB社に提供する形になります。

このプロセスを通じて、双方の会社が新しい関係を築き上げることができます。

メリット

– 両社の経営資源や強みを組み合わせることで、新たなシナジーを生み出す可能性がある。
– 経営の安定性や市場での競争力を高めることが期待される。

デメリット

– 組織文化や経営方針の違いから、統合後の摩擦が生じる可能性がある。
– 事前の十分な調査や準備が不足していると、期待した効果を上げることができない。

株式交付と株式交換の主な違い

 

 株式交付

定義
株式交付は、ある企業(取得する側の企業)が、別の企業の事業や資産を取得する際に、取得対価として新たに発行する自社の株式を提供する手法です。

メカニズム
例えば、A社がB社の事業を取得した場合、A社は新規に株式を発行し、その新規発行した株式をB社またはB社の株主に交付します。この結果、B社またはその株主はA社の新しい株主となります。

株式交換

定義
株式交換は、2つの会社が相互に自社の株式を交換することで、一方の企業がもう一方の企業を100%子会社として取得する手法です。

メカニズム
具体的には、A社とB社が株式交換を行う場合、A社はB社の全ての株式を取得し、その対価としてA社の株式をB社の株主に提供します。この取引が完了すると、B社はA社の100%の子会社となります。

株式交付と株式交換の主な違い

1. 対象となる会社の数:
– 株式交付: 基本的に1社がもう1社の事業や資産を取得する形です。
– 株式交換: 2つの会社が相互に株式を交換し、1つの会社がもう1つの会社を子会社として取得します。

2. 結果としての企業構造:
– 株式交付: 取得先の会社やその株主が取得元の会社の新しい株主となる形です。
– 株式交換: 取得先の会社が取得元の会社の完全子会社となります。

3. 資本提携の度合い:
– 株式交付: 取得先の企業が取得元の一部として組み入れられることもあれば、独立したままであることもあります。
– 株式交換: 常に取得先の企業が取得元の完全子会社となるため、資本的な結びつきが非常に強いものとなります。

 

まとめ

事業承継や企業の再編には多くの方法が存在しますが、その中でも「株式交付」と「株式交換」は特に注目される手法です。

また、株式交付と株式交換は、企業が他社との結びつきを強めるための手法として使用されるものの、その背後にある目的や結果としての企業構造には明確な違いがあります。

事業承継の戦略を考える際には、これらの違いを理解し、適切な手法を選択することが重要です。

それぞれの特徴や適用シーンを理解することで、より適切な経営判断を下すことができるでしょう。

また、資産管理会社の設立などでの株式交付に関する詳しいご相談も承っておりますのでお気軽にご相談ください(^^)

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