まいどおおきに!Rimpactの中西です。ご覧いただき誠にありがとうございます!
本日は、自社の株式評価についてです。事業承継を検討する際に自社の株式価値を把握することはとても大切なります。
理由として、
①株式価値が高すぎると、自社株の移転の際に資金負担が過大になる。
②後継者が自社株を買い取る際の買い取り資金の負担増加や、贈与税・相続税が過大になる。
などがございます。
一般的な対策としては、利益を削減し株式価値を低下させる方法がございますが後日詳しくご説明させていただきます(^^)
はじめに
事業承継は、企業経営者が後継者に経営権を譲るプロセスです。
このプロセスにおいて、自社株の評価は極めて重要な役割を果たします。
なぜなら、正確な評価が行われなければ、後継者や現経営者、株主など多くの関係者に影響を及ぼすからです。
本ブログでは、事業承継における自社株評価の重要性と方法について詳しく解説します。
自社株評価の重要性
1. 公平な承継プロセスの確保: 自社株評価は、事業承継プロセスにおいて公平性を確保するために不可欠です。公正な評価が行われることで、後継者と現経営者の間に紛争や不信感が生じるリスクを低減することができます。
2. 適切な価格設定: 自社株の適切な評価によって、事業の実態に基づいた価格設定が可能となります。過大評価や過小評価を避けることで、事業の価値を正確に反映した価格が付けられ、資産の適切な移転が行われます。
3. 税務面の影響: 自社株評価は、税務面でも重要な影響を与えます。相続税や贈与税などの税金が自社株の評価に基づいて課せられるため、正確な評価は税務計画においても重要です。
4. 株主の利益保護: 株主は企業の所有者であり、自社株の価値が適切に評価されることで、彼らの利益が保護されます。過小評価によって株主の権益が損なわれることを防ぐためにも、適切な評価が必要です。
自社株評価の方法
1. 純資産額方式: この方法は、企業の資産と負債を評価し、純資産価値を算出する手法です。資産評価法は、主に不動産や設備などの物的資産を評価する際に使用されます。ただし、事業の将来キャッシュフローを考慮しないため、事業の収益性や成長性を反映しきれない場合もあります。
計算式は、
純資産 + 含み益(1-法人税) ÷ 発行済み株式総数
になります。
簡単にご説明すると、貸借対象表の純資産(資産ー負債)と不動産や有価証券などの含み益を足した金額が株式価値になります。
一般的に業歴が長く長年の利益が積み上がり、また昔に購入した土地や株式が値上がりして含み益が大きいケースに株式価値が高くなります。
2. 配当還元法: この方法は、事業の将来キャッシュフローを評価して現在価値に割り引く手法です。将来の収益性や成長性を考慮するため、事業の価値をより正確に評価することができます。ただし、将来の予測が難しい場合や割引率の設定によって評価結果が大きく変動する可能性もあります。
また、最低限の知識として、従業員などの少数株主などが所有する株式を評価するときに用いられる場合が多いです。
3. 類似業種比準価額方式: この方法は、同業他社の株式市場での評価を参考にする手法です。類似業種や規模の企業の株式評価を比較し、自社の評価を推定します。ただし、企業ごとの状況や業績の違いを考慮する必要があります。
計算式は、
類似業種の株価 × 評価会社の配当/類似業種の配当 + 評価会社の利益/類似業種の利益×3 +評価会社の簿価純資産/類似業種の簿価純資産 ÷5 ×斟酌率(大会社0.7 中会社0.6 小会社0.5)
になります。少し複雑ですが、つまり配当・利益・簿価純資産の数値が高い場合には、株価が高くなるということです。その中でも、3倍の計算をしている利益のコントロールが株価対策で最も重要と言えます。
4. ディスカウントキャッシュフロー法: この方法は、将来のキャッシュフローを予測し、それを割り引いて現在価値を算出する手法です。将来の事業計画や経済状況を考慮し、より繊細な評価が可能です。
しかし、予測の不確実性や割引率の選定が評価結果に影響を及ぼすこともあります。
M&Aで株式価値を算定する場合によく使用されますが事業承継ではあまり使われません。。。
自社株評価方式の選択
では、上記の株価算定方式の中からどの計算式を選択するかをご説明いたします。
結論として、会社規模に応じて計算式を選択していただきます。
①類似業種比準価額方式と純資産価額方式のいずれか低いほう
②純資産価額方式と「類似業種比準方式と純資産価額方式の併用」のいずれか低いほう
の上記いずれかを選択していただきます。
会社規模別の自社株評価方式
大会社 : 純資産価額方式 または 類似業種比準価額方式のいずれか低いほう
中会社 : 純資産価額方式 または (類似業種比準価額方式×0.9~0.6 + 純資産価額方式×0.1~0.4)のいずれか低い方
小会社 : 純資産価額方式 または (類似業種比準価額方式×0.5 + 純資産価額方式×0.5)のいずれか低いほう
になります。
一般的には、 純資産価額 > 組み合わせ方式
になることが多いです。
また、会社規模は、「総資産価額」「従業員数」「売上高」の組み合わせでいずれかに該当するか判断します。
まとめ
自社株評価は、事業承継において重要な要素であり、公平性や適切な価格設定、税務面での影響など様々な側面に影響を与えます。
純資産価額法、収益還元法、類似業種比準価額方、ディスカウントキャッシュフロー法など、複数の評価方法がありますが、事業の特性や状況に応じて適切な方法を選定することが重要です。
正確な評価を通じて、スムーズな事業承継を実現し、関係者の利益を守ることが求められます。
弊社では、事業承継やM&Aをご検討されている企業様に対して、より詳細な「自社株評価」をさせていただいております。
具体的な、株式価値を知ることで今後の戦略や対策が立てやすくなり、企業のビジョンなどが明確になります。
ご相談は無料になりますので、お気軽にお問い合わせください(^^)
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] 事業承継における自社株評価の重要性と方法 […]
[…] 事業承継における自社株評価の重要性と方法 […]