事業承継における贈与税の重要性と対策

2023年8月4日2023年8月5日

まいどおおきに！Rimpactの中西です。ご覧いただき誠にありがとうございます。

本日は、昨日の相続税に引く続き、事業承継でとても重要な贈与税についてお話させていただきます！

事業承継は、経営者が後継者に経営権を移譲する際に発生する重要な課題です。

長年にわたり企業を築いてきた経営者の意志を受け継ぐことは、後継者にとっては重責であり、一方で経営者にとっても大きな喜びです。

しかしながら、この重要な事業承継には贈与税という課題が待ち受けています。

本ブログでは、事業承継における贈与税の重要性と対策について詳しく解説します。

贈与税は、ある個人が財産を無償で他の個人に譲渡（贈与）する場合に課せられる税金のことを指します。

事業承継においては、親から子への株式譲渡や事業の無償譲渡などが贈与税の対象となります。

贈与税は贈与の対象となる財産の価額に応じて課税されるため、高額な贈与を行う場合にはその税金負担が大きくなることがあります。

事業承継における贈与税は、事業の継続性を確保する上で重要な要素となります。

贈与税が高額になると、後継者が事業を引き継ぐために多額の現金を用意する必要が生じるため、資金不足による経営難が発生する可能性があります。

また、贈与税の支払いによって事業のキャッシュフローが圧迫されると、運転資金の確保が困難になり、経営に支障をきたすことも考えられます。

事業承継における贈与税の負担を軽減するためには、以下のポイントを考慮することが重要です。

1. 事前の財産整理

贈与税対策を行う前に、経営者が保有する財産を整理することが必要です。不動産や株式、現金などの資産を正確に評価し、事業譲渡によって生じる贈与税の範囲を把握することで、適切な対策を立てることができます。

2. 贈与時精算制度の活用

贈与時精算制度を活用することで、贈与対象となる財産の評価額を特別の評価方法で算定することができます。これにより、贈与税の節税効果を狙うことができます。

3. 分割贈与

贈与税の負担を軽減する方法として、複数回に分けて贈与を行う「分割贈与」があります。年間贈与額の範囲内であれば、贈与税の税率が軽減されるため、計画的な贈与が可能となります。特に、「暦年贈与」という制度を活用することでより効果的な対策となるため後述致します。

4. 事業承継の特例措置の活用

事業承継に関連する特例措置を利用することで、贈与税の軽減が図れる場合があります。例えば、事業承継対策のための特別控除や事業承継納税資金の贈与非課税措置などがあります。

暦年贈与とは、日本の贈与税制度において特定の年度内に行われる贈与に対する税制上の取扱いを指します。

具体的には、ある贈与者が同一の受贈者に対して、1年間（暦年）を通じて複数回にわたって贈与を行った場合に、それらの贈与を合算して課税する制度です。

贈与税は贈与時に課税されるため、贈与者が一度に高額な贈与を行うと、贈与税の税率が上がり、税額も大きくなることがあります。暦年贈与制度はこのような事態を防ぐために導入されました。

具体的な暦年贈与の特徴としては、次の点が挙げられます。

合算課税：贈与者が同一の受贈者に対して1年間で複数回にわたって贈与を行った場合、それらの贈与額を合算して課税します。つまり、暦年内の全ての贈与を一つの取引として扱い、一定の範囲内で課税対象となる贈与額を計算します。
節税対策：暦年贈与では、年間贈与額が一定の金額以下であれば、贈与税の税率が低くなるメリットがあります。このため、高額な贈与を行う場合には、複数回に分けて贈与を行い、節税対策をすることが考えられます。また、一年間の総額が110万円以下であれば税金は発生しません。この仕組みを「贈与税の基礎控除枠」といいます。
年度の範囲：暦年贈与は、通常1月1日から12月31日までの1年間を対象とします。したがって、年度をまたぐ贈与については暦年贈与の適用外となります。

暦年贈与の制度を活用することで、贈与者は贈与税の負担を軽減することができます。ただし、節税のためには計画的な贈与が必要であり、贈与額や時期については専門家のアドバイスを仰ぐことが重要です。